仮額・仮縁の作り方

公募に出す際に仮額、仮縁等をつける必要があるかと思います。
今回はその仮額をホームセンター等で手軽に手に入る材料を使って安価で十分に使用にたえる仮額を作る方法を写真と簡単な補足文で書きたいと思います。
学生や、安く作りたいけどあまり経験が無い人用に書いているので、DIY中上級者にはあまり参考にならないと思います。


材料、
木材×4本 木割れ防止ビス×24本 板材(100×200mm程度)

道具、
ボンド、ノコギリ、定規(金属製、直角の出せる物の2種類あるとベター)、カッター、鉛筆

木材ですが、ある程度安価で軽く、加工が簡単な物ということでファルカタ集成材を使います。
ファルカタとは桐のことでそれを寄せ集めて合板にした物が集成材です。
ホームセンターでは汚れやすかったり湿気に弱かったりするのでビニールで包んだ状態で売っています。
Titebondと書いてある物はその名の通りボンドですが、これは普通のボンドでも構いません。よくくっつくということなのでちょっと買ってあった物です。

こんな感じで包んであります。これによってホームセンターの木材にありがちな汚れた物ばかり残っている、という状況を避けることができます。
あとはファルカタは節が少ないので曲がりもそこまではありません(が、一応確認しましょう)。

今回使ったのは厚さ13mm、幅45mmのものです。

まずは仮額をつける絵の寸法から長さを割り出して、メジャーでしるしをつけます。
ちなみに今回はF100号の仮額を制作します。

今回は以下のような組み方で四隅をネジ止めします。
四隅の三角形は裏面から絵にネジ止めする為の板です。
寸法は
A = 絵のタテ+キャンバスの厚み(3〜5mm程度、これを忘れるとはまりません)
B = 絵のヨコ+仮額に使う木材の厚み×2(今回は13×2で26mm)+キャンバスの厚み
寸法を間違えるのはありがちなミスなのでちゃんと確認しましょう。以下ミスの例です。

・キャンバスの厚みを足し忘れる
・仮額の厚みを足し忘れる、厚みを×2本分にするのを忘れる
・タテの寸法にも仮額の厚みを足してしまう

はかり終えたら線をひきましょう。
下のような定規があるといいです。止定規と言うそうです。
今回はノコギリできるのですが、二本まとめて下のように引くと一度に切れるので便利です。


まとめる際は二カ所を養生テープ等で止めます。切り落とす部分もまとめておいた方が、二本目を切るときにノコギリがずれなくていいです。
あとは厚みの部分にも直角の線を引いておくとズレがわかるのでいいです。

切り始めます。


横側(厚み部分)に引いた線を確認しながら直角に切り進めていきます。

まとめておいたおかげで同時に切れました。

上のような手順で計4本を切ります。

次に以下のような裏面に仮額を固定する為の板を作ります。
ちょうど以前につくった三角形のMDFがあったので今回はそれを使います。
木材はベニヤなどでも大丈夫だと思います。

大きかったので半分にします。

昔大学院生の頃、板材をノコギリでばっこんばっこん言わせながら切っている学部生(1、2年生くらい?)を見かけてよっぽど言おうかと思いましたが(結局言わなかった…)3mm程度の板材であればカッターで切れます。
パネルを自作する際もカッターで切った方がずれないし安全です。

後は、カッターを使う際はなるべくプラスチックの定規は避けましょう。カッターがずれて定規にひっかかったときに削れてしまって直線が引けなくなります。
学生のみなさん、プラスチックの定規を貸りてカッターでガシガシ切ると嫌われるので気をつけましょう。(自分はずれたりしない、等と言う理論はたやすく吹き飛びます)

4枚切りそろえます。これはあまり精度は気にしなくていいです。
F100号に大きさはこのくらいで十分です。

縦方向の木材の端にボンドを塗っていきます。
捨て塗りとして薄く塗って一旦乾かすと、ボンドの木材へのしみ込みを押さえられます。
意外にかなり吸い込むので捨て塗りをしないとくっつきがあまくなったりします。
今回はめんどくさかったので捨て塗りは縦の木材だけにしました。

ボンドを塗ったらネジ止めしていきます。
ネジはこんな感じのモノを使用します。

ネジを買う際は先端がドリル状になっている木割れ防止ビスを買いましょう。
端にネジ止めすることになるので普通のネジだと木が割れる可能性があります。
やむを得ず普通のネジを使う場合はドリル等で下穴を開けましょう。

あと、あたりまえですがビスの長さは木の厚みより長い物を買いましょう。

ビスを止める場所をドライバーでしるしをつけておきます。
ファルカタは柔らかいのでドライバーで十分へこみます。

横の木材にビスをとめていきます。

このように先端を少し出してとめておくと木材同士ををあわせる際に便利です。

こんな感じですべてにビスを止めておきます。

捨て塗りの上にもう一度ボンドを塗り、ビス止めしていきます。
先端を出しておいたので強めに押すと縦の木材にもへこみがついてビスがはいりやすいです。

片方づつではなく、均等に締めていくとやりやすく、ずれにくいです。

こんな感じでとまりました。
木割れ防止用のビスはネジの頭部分にも切れ込みが入っているので木にぐいぐいと頭が入っていきます。

今回は仮額ということもあり、特に気にせずねじ込んだので少し割れてしまいましたが100号等の大作の場合上下の部分は見えないので気にする必要はあまりないと思います。

ネジ止めが終わりました。

四隅に三角の板をつけていきます。

MDFは固かったので下穴を開けておきました。

ちなみに四隅の角部分は外しておかないと、中で枠を止めているビスとぶつかってしまうので少しずらしてビスを打ちましょう。

これも均等に締めていった方がやりやすいです。

できました。

四隅全てに三角を打ち込んだら完成です。
あとは絵をはめ込んで裏側から三角の板と絵の木枠をネジ止めすれば固定できます。
念入りに固定するのであれば三角の板を増やして縦横の真ん中にもつければより強力に固定できます。(今回は入選の際は、仮額をはずせるということだったので簡単につけました)


以上が安価に、手に入りやすい方法で仮額をつけるやり方の一例でした。
仮額にお金をかけたくなかったり、仮額を急いで用意しなければいけない場合に参考にしてみてください。


※とりあえず書いてみましたが、これが正解、というわけではありません。自分はこうしている、こうしたほうがいいよ!などご意見ありましたらコメントしていただければ幸いです。

追記:
最近、この記事を検索で見つけてくれる方がたくさんいます。
ついでなので時間があれば作品についても見ていただければ幸いです!
↓展示風景など
http://lamb-log.blogspot.jp/search/label/exhibition%20view

5 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

材料に書いてある板材と、三角に切って釘止めするベニヤ板は同じですか?

lamb さんのコメント...

コメントありがとうございます。
はい、文頭の材料にある板材(100×200mm程度)というのが四隅に三角で止める板のことです。
材質はなんでもいいと思います。写真では2.5mmのMDF板を使っていますが、ラワンベニヤ等でも大丈夫です。
あとは釘で止めると抜け落ちる可能性があるので、ネジ止めするか、ボンドなどでしっかり固定するといいと思いますよ!

匿名 さんのコメント...

なるほど、ありがとうございます!
カッターでラワンベニヤを切ってみましたが、やり方がおかしかったのか、なかなか大変でした;

lamb さんのコメント...

確かに薄い板はノコギリで切ってもカッターで切っても微妙に難しいですね。
大きいカッターで根気よく何回も切れ目をつけるのが一番です。

匿名 さんのコメント...

非常に助かりました( ; ; )
ありがとうございました!